やっぱり渋野日向子(23=サントリー)は渋野日向子だった――。米女子ゴルフツアーの来季出場権をかけた「最終予選会」最終日(12日=日本時間13日、アラバマ州ドーサン・ハイランドオークスGC=パー72)、前日に79の大たたきだった渋野は69と復活し、通算10アンダーの20位に入り、来季出場権を獲得した。

 7日目に突如崩れて7つスコアを落とし、29位に急降下。目標としていたより多くの試合に出場できる目安となる20位以内に入るには、伸ばすしかなかったが、そこは〝バウンスバック〟が代名詞となっている渋野。しっかり伸ばしてホールアウト時点では、多くの選手がプレー中で20位以内入れるか微妙だったものの、ギリギリでも20位に入るあたりは〝持っている〟からなのかもしれない。

 そんなプレーぶりに、「最終予選会」を中継しているWOWOWで解説を務めるプロゴルファーの東尾理子は「狙っていた順位より低いとは思うけど、ここまで戻してきたのはナイスです」。メンタルをズタスタにされるスコアからのカムバックに舌を巻いた。1番のボギースタートには「心配しました」と振り返っただけに、実感がこもる。

 先週に行われた第1週も出だしの2日間で2オーバーと遅れたが、3日目に66で回って巻き返しに成功。1週目を終わった時点で男子プロから「ダメだったホール、ラウンド、そして大会の後、引きずらないことが大事になってくる。プロでもその切り替えが、うまくできない選手が結構いるのだけど、出遅れから、ある程度の順位まで上げてきたのは素晴らしい」との声が上がっていたが、第2週も同じようなことが言えるだろう。

 結果オーライだったから言えるとはいえ、やっぱり渋野は見る者をハラハラドキドキさせてしまうのか。本人は「すごく昨日(7日目)悔しくて、最終日を迎えるのが怖かったけど、アンダーで回れたのは、いい締め方だったと思う」と、この日のラウンドを振り返っていた。