スペイン1部バルセロナが過密日程や負傷者続出の中でサウジアラビア遠征を強行しようとして波紋が広がっている。

 バルセロナは14日にサウジアラビアの首都リヤドで開催される「マラドーナカップ」に出場を予定。昨年11月に急逝したアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナ氏を追悼する親善試合で、現役時代に所属したアルゼンチン1部ボカジュニアーズと対戦する。

 アジアツアーの親善試合は珍しいことではないが、タイミングが悪かった。バルセロナはシーズン真っただ中で、12日にオサスナ戦を終えたばかりで18日にはすぐにエルチェ戦を控えている。その合間に強行軍での中東遠征になるため批判が高まっているのだ。

 チーム状況も最悪で、FWメンフィス・デパイ、DFジョルディ・アルバ、FWアンス・ファティ、MFペドリ、MFセルジ・ロベルトなど負傷者が相次いでいる。超過密日程での遠征はコンディションの維持が難しくさらなる負傷を誘発しかねないため、非難が集中しているのだ。

 そうまでしてバルセロナが異例の遠征を強行する理由はズバリ〝カネ〟だ。スペイン紙「ムンドデポルティーボ」によると、バルセロナはマラドーナカップに参加することで主催するサウジアラビア側から300万ユーロ(約3億9000万円)の報酬を得るという。クラブは深刻な財政難にあえいでいることから、少しでも稼げるならばどこにでも足を運ぶというわけだ。

 なりふり構わぬ名門の姿は寂しいかぎりだ。