米アカデミー賞の前哨戦の1つとして知られる第79回ゴールデン・グローブ賞の各候補が13日に発表され、村上春樹さんの短編小説を原作にした濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、非英語映画賞(旧外国語映画賞)にノミネートされた。

妻を失った喪失感を抱えて生きる主人公を俳優西島秀俊(50)が演じる。同作は、今年7月に開催されたカンヌ国際映画祭で日本作品として初めて脚本賞を受賞。ニューヨーク映画批評家賞では作品賞、ボストン映画批評家賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞の4冠を達成し、来年発表されるアカデミー賞国際映画賞へのノミネートも期待されている。

日本映画の同部門ノミネートは、是枝裕和監督の「万引き家族」(2018年)以来3年ぶりとなる。

映画部門の作品賞コメディー/ミュージカル部門にはスティーブン・スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」や俳優レオナルド・ディカプリオ主演の「ドント・ルック・アップ」がノミネートされ、ディカプリオは主演男優賞にも選出された。

また、ドラマ部門作品賞には米テニス界最強の姉妹と言われるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を育てた父をウィル・スミスが演じる「ドリームプラン」や「DUNE/デューン 砂の惑星」などが選ばれ、ファッションブランド「グッチ」を創業したグッチ一族の崩壊を描いた「ハウス・オブ・グッチ」に主演したレディー・ガガは、ドラマ部門の主演女優賞に選出された。一方、ドラマ部門作品賞には、世界的大ヒットとなったネットフリックスの「イカゲーム」がノミネートされている。

ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)所属会員の投票によって選ばれる同賞は、人種差別や接待疑惑などが浮上したことから放映権を持つ米NBCテレビが来年の授賞式のテレビ中継を中止することが今年5月に発表されている。

HFPAは組織改革を行い、多様性に富んだ21人の新たな会員を迎えたことを発表。授賞式は来年1月9日に予定通り行われるが、テレビ中継の有無やどのような形で行われるのかは明らかになっていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子)