ジョーカー事件を経て痴漢が一掃されそうだ。10月31日に発生した京王線特急の乗客刺傷事件を受けて国交省は先日、新造する列車に防犯カメラの設置を義務付ける対策を発表。抑止効果は凶悪犯罪以外にも及ぶものとみられる。

 この事件は、映画「バットマン」シリーズの悪役で知られるジョーカーの服装をまねた24歳の男が、都内を走る京王線の車内で刃物で乗客を切り付け、放火して18人が重軽傷を負った。また8月には小田急線の車内で、36歳の男が牛刀で乗客を切り付け、10人が重軽傷を負う事件もあった。

 こうした事件を受けて防犯カメラの設置を義務化するわけだが、効果はジョーカー対策だけにとどまらなさそうだ。
 わいせつ事情に詳しい関係者は「電車内で眠っている女性を狙う痴漢が多い。特にこの時期は終電間近の電車内に、泥酔した女性がたくさん見られるようになります。そうした女性に介抱するフリして近づいていく、というのが痴漢の手口です」と明かす。

 実際に電車内で、泥酔女性をナンパするという会社員男性は「防犯カメラが設置されれば、電車内での痴漢やスリは激減するでしょう。防犯カメラが導入されている電車では、スリ狙いの人はかなり減りました」と話した。ナンパも泥酔女性を狙っているので、かなりグレーな行為と言える。

「泥酔した女性の様子を探りながら駅の外に連れ出していくわけですが、そういった姿を防犯カメラが押さえているわけですからね。何かあったらすぐ特定されてしまう。むしろ可燃性の液体をまくようなヤツらなんかはカメラを気にしないでしょうが…」(前出の男性)

 痴漢事件には冤罪もみられ、無実の証明に役立つことも考えられる。