女子ゴルフの渋野日向子(23=サントリー)は、先日まで行われていた米ツアー最終予選会を多くの試合出場が望める目安となる20位で突破。来季からツアーメンバーとして正式参戦する中、プレーが最も関心を集めるのは言うまでもないが、ゴルフ関係者の間では英語に対するアプローチも注目の対象となっている。

 英語でスムーズにコミュニケーションできる域まで達していない渋野は、上達の重要性を理解しているが、米ツアー参戦でどこまで英語力を伸ばしていくのか気になるところ。その点について、あるゴルフ関係者は「渋野選手が、どのような形で転戦していくかによって変わってくる」と指摘した。常に通訳がいるなど日本語だけで完結できる環境なのか、自身で英語を使わなければいけない状況に身を置くかで変わってくるわけだ。

 そういう意味で象徴的なのは、宮里藍(サントリー)と松山英樹(LEXUS)のやり方だろう。藍は2006年からの米ツアー参戦にあたって「英語を話せるようになりたい」と強く願い、米国生活で英語の話せるマネジャーは帯同していたものの、あえて日本語を遠ざけて英会話を磨き、十分なコミュニケーション力を身につけた。一方、14年から米ツアーを主戦場とする松山は、英語よりゴルフと向き合うことに重きを置き、4月に「マスターズ」を制覇したときも、日本語で優勝スピーチを行った。

 藍も松山も米国で結果を残している選手だけに、どちらが正しいということはないが、渋野の英語と向き合うスタンスはいかに?