大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)の対戦カード発表会見が17日に行われ、リオ五輪レスリング銀メダルの太田忍(27)は、対戦相手の祖根寿麻(33)と丁々発止のやりとりを繰り広げた。

 昨年の大みそか決戦で総合格闘技(MMA)デビューし、ここまで1勝1敗。注目の3戦目は修斗環太平洋王者が相手だが、RIZINでは4戦4敗(キックルール含む)とあって、太田は「去年は所英男選手でデビューしたが、今回の対戦相手、祖根選手では正直、役不足です。僕が客観的にRIZINのファンとして見て、あまり楽しみじゃないなと。この前の試合は1ラウンド(R)で久保(優太)選手とたらたらやってしまったので、1Rでしっかり決着をつけたい」と言ってのけた。

 これに対し祖根は「役不足と言われても…久保選手との試合、所選手との試合、(観客を)沸かせられたんですかというところがある」と太田の2戦を〝塩試合〟と指摘して逆襲。さらに「アマゾンで買った」という銀メダルの模造品を披露し「本物見たいんですけど」と太田に要求した。

 太田は「クソださいんですけど、大丈夫ですか」と怒気を含んで返答。「僕はメダルどこにあるか、わからない。そこら辺に放っているんで」と切り返すと、祖根は「こう言ったのはふざけているんですけど。レスリングは尊敬している。大みそか、一緒に面白い試合を盛り上げましょう」と締めた。

 その後の質疑応答で2人とも「挑発合戦ではない」「相手へのリスペクトはある」と話したが、誰がどう見ても立派なプロレス流の挑発合戦。太田は終始ピリピリとしたムードを漂わせていただけに、殺気ある試合となりそうだ。