ボクシング界のみならず社会現象にもなった〝亀田三兄弟〟の次男にあたる元ボクシング世界2階級王者の亀田大毅(32)が、競馬の祭典・GⅠ有馬記念で1億円獲得とギャンブル引退をかけて大勝負する! 現役引退後は7年間のプータロー生活を送ってきた大毅だが、4月から始まったユーチューブ冠番組「熱狂ガテン録ダイキ」では、体を張った仕事で身銭を稼いでいた。それらで得た300万円以上を競馬にぶち込むという。「リアル・カイジ」とも言える狂気の裏には何があったのか――。


 WBA世界フライ級、IBF世界スーパーフライ級と2階級制覇を成し遂げた大毅。兄の興毅氏、弟の和毅も世界王者となり、ワイドショーで「亀田三兄弟」として連日報じられたこともある。

 2015年11月に左目の網膜剥離のため引退した大毅は、その後の7年間は〝無職状態〟。妻子ある身でありながら、当時の愛称である「浪速乃弁慶」ならぬ「浪速のプータロー」となった。

 そんな大毅を変えたのが、4月からスタートしたユーチューブ冠番組「熱狂ガテン録ダイキ」だ。「亀田興毅×亀田大毅の3150チャンネル」内で配信され、大毅はあらゆる手段で〝貯金1億円〟を目指してきた。

 スタート当時、大毅は「ゼロから上り詰められるように…土俵際ですわ」と告白。タイトルの「熱狂ガテン録ダイキ」は、親交ある人気ギャンブル漫画「カイジ」作者の福本伸行氏が命名した。まさに〝地下行き〟の覚悟を示していた。

 約310万円をテーブルに置いた大毅は「僕が今年得たお金全部です。これを有馬記念とWIN5にぶち込む! これが狂気。〝リアルカイジ〟です」と宣言した。

 ボクシングしか知らない人生を過ごし、引退後は抜け殻に。動画で人生初のアルバイトに挑戦し、厳しい叱責に耐えながらこれまで、解体業者、引っ越し、八百屋、居酒屋、特殊清掃など多岐にわたる業種をこなし、総額で約96万円が事務所に振り込まれた。

「本当にいい経験になりました。みんな大変な思いでお金を稼いで生きている。(叱責は)仕事ができなかったし、リングじゃないですからしゃあない。解体は本当に…ボクシングよりもしんどかったですよ」

 家にこもる生活から、朝から事務所や仕事先に向かう姿に妻は感動していたという。そんな経緯もあって「馬券勝負はやめた方が…」と再考を促されたが、大毅は「有馬記念での勝負はけじめですよね。大好きなマンガ家・福本先生にタイトルを付けていただいて。『熱狂』と付けていただいたからには、最後はカイジに。狂わないといけない」と笑った。

 有馬記念、WIN5で高額的中すれば、まさに大金持ち。それでも大毅は「勝っても負けてもギャンブルはやめる!」と力強く言い切った。

「2011年、22歳の時の有馬記念。ブエナビスタの引退レースでしたけど、僕は100%、オルフェーヴルが勝つと単勝に50万円かけて110万円になった。そういうのが僕の中ではギャンブル。これまで数千万円は負けてます。競馬は大好きなので、給料の1%くらいの遊び程度はやるけど、給料全部かけるとかのギャンブルはやめる」

 25日に馬券やWIN5の購入動画をアップし、有馬記念当日の26日は午後から生配信する予定。約8か月の「熱狂ガテン録」は配信終了となる。

 来年の展望を聞くと、「負けて地下行きになってるかも」と笑いつつ、「3150ファイトクラブ 副会長兼トレーナー 亀田大毅」と書かれたボクシングジムの名刺を渡してきた。

「お兄ちゃんが2月に会長に就任して選手も増えてきた。『トレーナーが足りない』と言ってたんで、一応、世界王者ですから(笑い)。伝えられることもあるから『トレーナーやらせてくれ』と。310万の中には、動画にも出演していただいた投資家のテスタさんから〝投資〟された150万も含まれてますけど、僕がトレーナーとして稼いだ40万も入っている。いまは副会長という職にもついて、プータローから脱却したんですよ!」

 現状で有馬記念については「今のところエフフォーリアは絶対に買う。最後の狂気をぜひ見てください。集大成を見せますから!」と声を大にしていた。