ボクシング元WBO世界フライ級王者の木村翔(33=花形)が、中国への渡航を禁止された。

 木村は先日、中国のユーチューバーでキックボクサーの玄武と同国でエキシビションマッチを行ったが相手は反則ざんまい。最後は体を持ち上げられた揚げ句、首からリングに叩きつけられた。

 この映像は日中両国で大波紋を広げ、WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)らボクシング界からも苦言を呈す事態となった。

 木村の所属ジムの花形進会長は本紙の取材に「投げ飛ばされていたねー。ただただ驚いているよ。あんなのアリなの? プロレスじゃないんだから」と苦笑。木村は2017年に当時WBO世界フライ級王者だった鄒市明(ゾウ・シミン、中国)を撃破した。

 中国で抜群の人気を誇っていた王者をKOしたことがきっかけとなり、同国での高い知名度や人気を獲得。以降は何度も中国を行き来している。

 花形会長は「(今回も)本人から『エキシビションでスパーリングをするという話で中国から呼ばれているので行ってきます』と言われて。木村は中国には慣れているし、公式試合じゃなくボクシングでスパーやるんだからいいんじゃないと。それがこんなことになってね。気分を害するのもいいところだけど、まずはびっくりだよ」とあ然といった様子。

 さらに木村を救出したセコンドについては「今回はこっちのジムからは誰もついて行っていない。あのセコンドも向こうでお世話になっている人だと思う」と語った。

 本人とも試合後には連絡を取り「『何でもない』と言っていた。急に投げられて本人もびっくりしていたよ。ケガがないみたいだからよかったけど、もういくらエキシビションでも(中国に)行ったらだめだよ。本人が行くといっても行かせられないよ」(花形会長)。

 木村は自身のSNSで詳細は帰国後に明かすとの意向を示している。