巨人の鬼軍曹が〝ご意見番〟と化す!? 二軍監督を卒業し、来季は本格的に原辰徳監督(63)を支えていく阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(42)。参謀役として期待される中、若手の起用も積極的に進言したい考えだ。今季中には他球団から巨人首脳陣が「原監督に萎縮せずモノ申せているのか?」ともささやかれたが、阿部コーチはというと…。

 昨季から主に二軍監督として若手育成に尽力してきた阿部コーチ。今年10月から一軍作戦コーチに配置転換となり、来季は一軍スタッフの一員としてスタートを切る。昨季は松原らを輩出して2連覇に貢献したが、一転して今季は新たな若手が台頭せず、チームも3位に沈んだ。

 この結果を受け、阿部コーチは「『若い選手が出てこない』とお叱りを受けてしまったんでね」と明かした上で「それだったらチャレンジさせてもらう機会をいただく。こっちから言って、どんどんチャンスをつかんじゃう子もいるかもしれないし、どんどん監督に言えればいいかなと思います」と決意表明。選手起用についても積極的に進言していく構えだ。

 ここでネックとなりそうなのが「本当に原監督にモノ申せるのか?」という点。今季中も他球団からは「コーチ陣は原監督と意見が違った場合でも、萎縮せずに自分の意見を言えているのか」と懐疑的な目を向けられたこともあった。

 ただ、阿部コーチに限っては原監督に「忖度」することはなさそうだ。すでに〝実績〟もある。昨季は体調不良で元木ヘッドがチームを離れると、阿部コーチが二軍監督からヘッド代行に就任。約2週間ではあったが、その短期間でも次々と独自色を打ち出した。2020年は新型コロナ禍の影響で過密日程となり、指揮官はナインの負担と故障リスク軽減のため早めの選手交代を推進。いわば肝いりのチーム方針だったが、阿部コーチはその効果を選手たちに聞いて回り「フル出場しても体力的にはあまり変わらない」と代弁者となって原監督に直言した。

 また、代行の立場でもちゅうちょなく〝集合〟をかけた。同年9月17日の阪神戦(東京ドーム)で先発したサンチェスがサインミスを犯し、チームは0―11で大敗。すると、阿部コーチは試合後に全選手を集めて緊急ミーティングを開き「ワンプレーで味方もしらける。味方もしらける、イコール、チームも士気が下がる。そういうことは二軍でも一軍でも変わらない」とカミナリを落とした。

 チームのためと思えば、相手が恩師だろうが、全権監督だろうがズバッと言う。阿部コーチの進言がチームを動かすこともありそうだ。