ベルト剝奪は免れた。世界ボクシング機構(WBO)は23日、公式サイトでWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)の王座を剝奪しないことを発表した。

 カシメロは11日(日本時間12日)にUAE・ドバイでWBO世界同級1位ポール・バトラー(英国)との指名試合が予定されていたが、前日計量を欠席したため中止となった。カシメロ陣営は欠席の理由を、カシメロがウイルス性胃炎で現地の病院に入院中のためと主張し、WBOは10日以内に医療機関からの診断書など医学的根拠を示すよう要求。拒否すればベルトの剝奪を通達していた。

 同団体の公式サイトでは「カシメロ陣営は我々の命令に従ったので、慎重に検討した。陣営が提供した証拠は当委員会を満足させるものであり、ここにジョンリール・カシメロの王座保持を裁定する」と発表した。続けて陣営に向け「この条件に従って、カシメロ―バトラーの試合の再日程を進める」とも明記された。

 カシメロは、WBAスーパー&IBF統一王者の井上尚弥(大橋)の対抗王者として対戦が期待されている。所属ジムの大橋秀行会長もベルト保持なら来春に予定される統一戦の相手に、WBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)とともに交渉に入るとしていた。バトラーとの再日程も含めてカシメロ陣営の動向が注目される。