女優の神田沙也加さんがダブルキャストで主演していたミュージカル「マイ・フェア・レディ」が２５日、山形・やまぎん県民ホールで１週間ぶりに公演を再開した。沙也加さんの死去のため１９、２０日の札幌公演は中止となっていた。

　沙也加さんとダブルキャストだった朝夏まなと（３７）が復帰の舞台で主人公・イライザを熱演。カーテンコールでは総立ちのスタンディングオベーションで迎えられ「とても悲しく、とてもさみしいです。でも、私たちはこの伝統ある愛してやまない作品を守り、続けていきたいと思います。さぁちゃんの思いも一緒に千秋楽まで１回１回大切に務め上げていきたいと思います」と目に涙を浮かべ、声をつまらせながら前を向いた。ヒギンズ教授役の別所哲也（５６）も涙をぬぐった。

　関係者によると、出演者たちは開演前に特別なことは行わず、いつも通りのルーティンでステージに上がったという。会場には公演再開が決定した際に発表された朝夏らのコメントや、沙也加さんの写った横断幕やポスターも掲示されていた。

　沙也加さんが中心だった「チームＫ」のキャストが降板したため、朝夏ら「チームＡ」が今後の全公演を担当。２６日にも山形公演を行い、来年１月２８日まで静岡、愛知、大阪、福岡を巡る。