「KEIRINグランプリシリーズ2021」が28日、静岡競輪場で開幕する。29日に実施されるヤンググリンプリの出場メンバーも27日、続々と現地入り。競輪祭で落車し、それ以来の実戦となる山口拳矢(25=岐阜)が自身の状態を正直に語った。

 万全の状態なら間違いなく優勝候補の筆頭格。しかし――。

「正直、全然戻ってないですね…」

 競輪祭の2走目にまさかの落車。優勝した吉田拓矢に〝まくられて〟S班入りを逃しただけでなく「肩鎖関節を脱臼した」と踏んだり蹴ったりのシリーズになった。

「手術をして、練習は2週間くらい。日に日に良くはなっているけど、痛みがまだあるし力も入りにくい。ヤングじゃなかったらたぶん…(欠場していた)。まずレースに参加できるかどうか、です」と冷静に語った。

 本番は単騎で一撃にかける。「優勝が狙える状態ではないけど、ワンチャンスはあると思うので。そこを逃さないように」

 最後まで景気の良いコメントは聞かれなかったが、輪界に新風を巻き起こす山口なら〝こんな状態でもひょっとしたら…〟と期待したくなる。