米国の大学競泳界で、女子の大会に参加するトランスジェンダー選手の出現に波紋が広がっている。

 五輪専門サイト「インサイド・ザ・ゲームズ」によると、米国水泳連盟に30年間勤務してきた競技役員のシンシア・ミレン氏が、トランスジェンダー選手が女子の大会に参加することに抗議し、連盟を辞任した。ミレンさんは、今月初めの大会で、審判を務める予定だったという。

 当該のトランスジェンダー選手はペンシルバニア大学のリア・トーマス。トーマスの参加を知ったミレン氏は、連盟に手紙を出し「リアを批判するつもりはありません。リアは神の子であり、大切な人です」と本人に非はないとしながら、自身の考えを吐露。「私は生物学的な男性が女性と競争することを認めるスポーツには、もう参加できない、と仲間たちに言いました。水泳に関するすべての公正なものが破壊されている」と記したという。

 トーマスは3年間、男子水泳部で競技し、NCAAの規則で必要な1年間のテストステロン抑制治療を終え、女子種目に出場。好記録を連発している。他選手の保護者や関係者から、不満の声も上がっている。