日本ハムの新二刀流・上原健太投手(27)が元同僚・大谷翔平投手(27)の偉大さに改めて敬意を表している。

 栗山前監督の勧め、稲葉GMからの打診を受け上原は、11月の秋季キャンプから投打二刀流への挑戦を始めた。沖縄・国頭での秋季キャンプ、千葉・鎌ケ谷での秋季練習を通して「実際に動いてみて、とんでもなく疲れる。今までやったことがない動きをするので、疲労がすごい。キャンプ、シーズンに入ったらとんでもないなと思ったんですけど、そこに慣れるしかない。早く慣れなきゃいけないと既に今は焦っています」とやって初めて分かる二刀流の大変さを語る。

 当初、二刀流挑戦に「楽しそうだな」と思っていたという上原だが、実際に稲葉GMから話をもらった直後は「返事ができなかった」と本音を漏らす。

「新体制になってどういう環境になるか分からない。やってみたいけど、自信がない。でも、とりあえずやってみるしかない」という葛藤の中で、新庄監督からも「まずは楽しむこと」と背中を押され、迷いを振り切れたという。

 そして、実際に始動してみて実感したのは二刀流でメジャーのリーグMVPにまで上り詰めた大谷のすごさだ。「まさか自分がこういう立場になると思わなかったので(練習の仕方が)全く分からない。そういう感じでアイツ(大谷)と接してしなかったので。どういうタイミングでピッチングをしていたとかが分からない」と語る上原はこう続けた。

「とにかく疲れ方が全然違います。すぐに筋肉痛になる。ピッチャーの疲れと打者の疲れが全く違う。(左投げ左打ちなので)打って張るのは右半身、投げて張るのは左半身。(打者は)重いものを振り回すので首が張る。強い打球を飛ばすのと、強い球を投げるのは(体の使い方が)似ているので相乗効果を期待してます。(理想の打者?)そんなの考える余裕はないです。アイツ(大谷)と比べられたら、レベルが全然違うので」

 もちろん、投手として23試合(130回1/3)に登板し9勝、防御率3・18をマークした上で46本塁打、100打点を挙げられるマルチな才能はメジャーでも大谷だけ。それは日米の野球ファンが十分周知している。上原は上原の二刀流を作り上げるしかない。