ボクシングＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ（３１日、東京・大田区総合体育館）で王者・井岡一翔（３２＝志成）がＷＢＯ同級６位の挑戦者・福永亮次（３５＝角海老宝石）を３―０の判定で下し、４度目の防衛に成功した。

　節目の１０度目の大みそかのリングに意気込む井岡は、序盤からギアを上げて攻める相手に効果的な右ストレート、左ボディーを炸裂させる。〝リトルパッキャオ〟の異名を取る挑戦者の左ストレートで後退する場面もあったが、４回には左フックをまともにヒットさせ相手の動きを止めた。

　その後は鉄壁のガード、上下への多彩な攻撃で主導権を奪う。７回には強烈な右ストレートで鼻からの出血を誘うと、その後も左の上下への攻撃から、右につなげる鮮やかな流れで格の違いを誇示。終盤は、捨て身の相手にロープに押し込められるも、最後まで危なげない展開を見せた。

　試合後は「１０度目の大みそかでいろんな思いがひしひしとこみ上げてきた。統一戦が中止になって複雑な心境だったが、戦っている姿を見せたいと思った」と思いをあふれさせた。

　当初はＩＢＦ世界同級王者のジェルウィン・アンカハス（フィリピン）との統一戦を予定だったが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」での外国人の入国停止措置で中止。「勝てたので統一戦できるように進めてもらう」と２０２２年の対戦が見込まれる中、絶対に落とせない一戦をしっかり勝ち切った。