〝キック界の神童〟那須川天心(23)が万感の思いでRIZINマットを〝卒業〟した。

 大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)でレジェンドの〝火の玉ボーイ〟五味隆典(43)と3分2ラウンド(R)、契約体重のないスペシャルエキシビションマッチで対戦。

 体重が13・3キロ重い五味に対し、左のボディーやパンチのコンビネーションで攻め込んだ。観客の拍手でスタートした第2Rでは積極的に前に出るが、五味の重いパンチを食らい、危ない場面も。それでも最後まで一歩も引かず、判定決着のないドローで終わった。

 試合後は五味への感謝の気持ちを述べた上で「やっていて楽しく、ちょっと悲しくもあり、いろいろな気持ちが混じった試合でした」と振り返った。

 さらに「この試合でRIZINを卒業という形になりますが…、僕RIZINが大好きです」と涙ぐみながらも「なにものでもない僕にチャンスを与えてくれて、本当にありがとうございます。あと2試合残っています。4月のRISEの試合、6月の武尊選手との試合、大勝負なのでRIZIN代表としてしっかり勝ってキックボクシングを卒業しようと思います」と語った。

 するとその直後だった。来年6月に那須川との「キック頂上対決」が決まったK―1のエース・武尊(30)の入場曲が流れ、電撃登場。「格闘技が一つになるきっかけになる試合になる。日本格闘界最高の試合をして必ず勝つので応援よろしくお願いします。那須川天心選手、たくさん期待してくれたファンを待たせてしまったと思うので、6月は最高の果たし合いをしましょう」と宣戦布告した。

 那須川も「4月でキックを引退するはずだったんですけど、これが終わらないとねってみんな思いますよね? もともとは階級が一緒で、僕から対戦表明をした形。僕から始まった物語なので、しっかり僕が終わらせてやろうと思います」と必勝を誓った。