サッカー女子なでしこジャパンの新指揮官がJ1浦和の黄金期を支えた〝あの選手〟の教えを胸にチーム再建を目指す。

 昨年10月になでしこジャパンの指揮官に就任した池田太監督(51)が新年のインタビューに応じ、2022年の目標として「1月にW杯予選となるアジアカップ(インド)がある。挑戦になる。選手たちと成長しながら戦って、アジアの頂点とW杯の出場権(上位5か国)を獲得するスタートにしたい。終わったら1年かけて、また選手とともに成長させていく積み上げができればと思っている。成長の1年にしたい」と力強く誓った。

 自身は指導者に転身後、浦和のトップチームのコーチとしてJ1優勝やアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇など黄金期を支えてきた。その時の貴重な経験をなでしこジャパンの強化でも生かす考えだ。

「サブの選手が、自分が出たいことは当たり前だがチームのプレーに対して一緒に喜んだり、チームのために自分の役割をしっかり全うする準備をしている。紅白戦などでも自分の与えられたことをしっかり発揮して、ベクトルがチームにいく。交代するときのサブの選手の姿勢は、本当に感動するくらいだった」と池田監督。その具体例として挙げたのが、DF堀之内聖だ。

「当時浦和はDF闘莉王選手が出ていたけど、けがを抱えてプレーしていた時期に堀之内選手がサブでいた。前半の開始から〝何かがあったら自分が出ていく〟という状態を90分ずっと準備し続けているのは、本当に頭が下がる思いだった」とその献身的な姿勢が常勝軍団の象徴だったと指摘。そして「一人ひとりが持っているものを出すのもそうだし、大会や試合でその方向性をなでしこのためにエネルギーを使っていく。みんなの力が一つの方向にいくチームを目指していきたい」と熱弁した。

 再び世界の頂点を目指すなでしこジャパン。池田監督の手腕に注目だ。