世界最大のプロレス団体・WWEのインターコンチネンタル王者・中邑真輔(41)がインタビューに応じ、闘病中の師匠・アントニオ猪木氏に熱いエールを送った。猪木氏の近況はあのブロック・レスナーも心配しているといい、中邑もインタビューを通じ〝伝言〟を依頼。また、旗揚げ50周年を迎えた古巣・新日本プロレスについても注目発言を繰り出した。


【中邑真輔インタビュー・後編】

 ――日本マット界の近況はチェックしているか

 中邑 ノアと新日本が久しぶりに対抗戦をするということは知っています。

 ――日本も新型コロナウイルス禍に苦しむ

 中邑 人々を勇気づけたり元気づけたりできる事を信じて、プロレスはメッセージやエネルギーを社会に発してきたと思っています。その勢いを増してほしいなとは思います。興行的な面で言うと、目まぐるしく変わるコロナ禍の状況では、外国人の招聘とかやっぱり難しくなってくるじゃないですか。相当、日本愛の強い選手ではないと、隔離だとかの問題を超えて活動してくれる選手ってなかなかいない。そういう意味では、いま新日本なり日本のプロレス団体で活躍してくれる外国人選手って、すごく貴重でありがたい存在なんだろうなって思いますね。

 ――WWEも日本公演が2年連続中止に

 中邑 日本公演がないので、全く日本に帰れていません。2021年は英国ツアーが復活して国外に出ることはできたんですけど、書類関係増えましたし、検査ももちろん毎日やってましたし。その中でも活動できてたこと自体はすごくありがたい。早く日本で待ってくれているファンの前で試合がしたいです。

 ――師匠の猪木氏の闘病生活が話題に

 中邑 日本のテレビ番組で特集があったんですよね? とても心配はしてます。この前、スマックダウンの会場でブロック・レスナーと会って。彼の耳にも届いてて「ミスター猪木は大丈夫なのか?」と聞かれたので、知り得る範囲で情報共有はしました。

 ――エールを送るとするならば

 中邑 伝えておいてくださいよ、本当に。猪木さんはいつでも元気を発する人であるんですが、やっぱり猪木さんを愛する人、たくさん周りにいますんで。今は皆からの元気をいただいてくださいとは思いますね。

 ――今年は古巣の新日本プロレスも節目の年

 中邑 50周年ですよね。会社を通してですけれども、本当に何か協力できることがあればとは思います。

 ――もし参戦が実現したら大きな話題になる

 中邑 試合は…難しいでしょうねえ。でも、本気で交渉してくれれば…どうにかなるかもしれないですけど、やっぱり今は情勢的に隔離や水際対策や、そういうとこでしょうね。リスクがまだまだ高い。状況が落ち着いて試合以外でも呼んでくれるテレビ番組とかあればいいですけど(笑)

 ――昨年はメジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平投手がMVPを獲得。刺激を受けた

 中邑 いやなんかもう、令和の怪物って感じっすよね…古いか! その言い方も(笑)

 ――「平成の怪物」も引退しましたし、古いかもしれませんね…

 中邑 でも本当に、今の若い子たちは次元が違うなって思うんですよ。東京五輪でもそうでしたけれども、僕らの世代が海外に感じていたような「壁」的なものを感じさせないようなポテンシャルを持っている。フィジカル的にも引けを取らず、大谷選手もそうだし、今後の世界で活躍する日本人はどんなの出てくれるんだってワクワクさせてくれる存在ですね。オッサンはそんな若い日本人からむっちゃ刺激を受けてます、はい。

 ――海外が「挑戦の場」ではなくなってきた

 中邑 自分自身を発揮する舞台として、自分を一番輝かせる舞台として選んだのは日本ではなく海外だったってことになるので。次の大谷翔平や、次の(東京五輪スケートボード金メダルの)堀米雄斗や次の(同サーフィン銀メダルの)五十嵐カノアたちにもっと夢を見せてもらいたいなと思いますね。

 ――中邑選手の活躍も期待しています

 中邑 もう6年ですよ。まだまだ生き残ってる。本厄を抜けたので、今年は今以上にガンガン上がっていきます。