ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)に、同じ東農大の先輩王者から太鼓判だ。

 WBO同級6位の挑戦者・福永亮次(35=角海老宝石)とのV4戦(12月31日、大田区総合体育館)に勝利し、すでに次戦に目を向けている。IBF世界同級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦だ。

 当初はこの日にセットされていたが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で中止。それだけに「次につながったと思う。もう一度、交渉を進めてもらって次にやりたい」と強い意欲を見せた。サウスポーの福永に対して繰り出したコンビネーションは、同じく左構えのアンカハスを想定した部分もあったという。井岡が闘志を燃やすアンカハスは、同王座を9度も防衛している絶対王者だけに、ボクシング関係者から不利予想の声も上がる。

 しかし、井岡と同じ東農大ボクシング部出身(井岡は中退)の元WBC世界フライ級王者・五十嵐俊幸氏は「正直、井岡が負ける相手ではないのかなとも思う。例えば(2020年12月の)田中恒成(畑中)戦でいえば、映像で客観的に見て『狙うならここだ』というところを、その通り打ち抜いてKOで勝つ。あれが井岡の強さ。一切、慌てる様子もなく冷静に淡々とやる。彼も10年以上のキャリアで、そんな境地にたどり着いたんじゃないかなと思う」と太鼓判だ。

 また「彼は致命打をもらわない。どの試合でもあれだけの戦いをしても顔にダメージをもらう印象がない。それは長くやっていく中では重要なもの」とさらなる長期政権も期待した。

 IBFは1月にスーパーフライ級の挑戦者決定戦の開催を先日、発表した。これがどんな影響を持つのか不透明だが、井岡は「我慢強く(陣営に)動いてもらって、僕もそれに備えて。思い通りにはいかないかもしれないが次に僕が望むのはアンカハス(との対戦)なんで」。ブレない信念で決戦への準備を進めていく。