テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局社員の玉川徹氏が5日、新型コロナウイルスの新規感染者の全国的な増加について言及した。

 4日の感染者は東京都で全週比約3倍の151人、大阪府で124人、沖縄県で225人など、全国で計1268人となった。1000人を上回るのは昨年10月6以来。第6波の入り口に入ったとみられている。

 玉川氏は「WHO(世界保健機関)が言っている『1・5日~3日で倍増する』というグラフに日本ものってますね。このままの傾向が続き、3日で倍増する計算をすると、今月末には第5波のピークを超える数値になる。そんなことがあり得るのかというと、米国の感染者数をみると、100万人という数を超えても2~3日で倍増というカーブが続いている。以前から日本では欧米に比べ、感染者数が10分の1ということなんですが、増え方に関して言うと、WHOが言うところにのっているというのが非常に気になる」と分析した。

 そのうえで、国の対策については「昨年頭から、どういう対策をするか、フェーズ(局面)によって変わっていくものだと思うが、最初の局面は物理的に感染者と非感染者の接触を減らして感染を抑えるしかなかったわけですが、今は行動制限を第一にするのではなく、ワクチンと薬で抑えるという局面に変わったと思っている」と指摘。

 続けて「岸田首相がワクチンの高齢者への接種900万回分をさらに前倒しすると表明したのは非常にいいこと。当初2月からとしていたのを1月からでも自治体に配る。もう一つはファイザーの飲み薬。今はメルクの飲み薬が薬局に届き始めているが、重症化を阻止する力が30%で、ファイザーの90%近いのに比べると弱く、使いにくい部分がある。ファイザーの薬を一刻も早く実用化すべき。米国はファイザーも緊急承認している。日本も(岸田首相が実用化を目指すという)2月じゃなくて、もう少し前倒しで承認できないのかを調べてみたい」とした。

 沖縄県では4日時点の入院者数129人のうち重症が13人、中等症44人と増加傾向。在日米軍基地のある沖縄、山口両県で新規感染者が増えている。

 これについて玉川氏は「水際対策をあれだけやったのに沖縄は間に合わなかった。もし、ブースター接種が進んでいて、ファイザーの飲み薬も入手可能になっていたならば、行動制限をかけないで済んだかもしれない。この2つを急いで、なるべく行動制限をかける(他の都道府県の)場所が少なくなるようにするのが今の局面の一番大事なことなんだろうと思う。米軍基地の中はファイザーの薬も日本にはあまりないソトロビマブも潤沢に使えるし、日本とは違う環境。それは(関係者の感染対策が)緩むのかもしれない」とみている。