声優田中真弓が6日、都内で行われたアニメ映画「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸-再会-」(7日公開)劇場上映直前イベントで、1988年(昭63)4月のテレビアニメ放送開始から、断続的に約34年、続いた、主演の人気アニメシリーズ初の映画化を喜んだ。

「魔神英雄伝ワタル」は88から89年、「-2」が90年から91年まで日本テレビ系で、97年から98年までテレビ東京系で「超魔神英雄伝ワタル」が放送された人気アニメシリーズ。「-七魂の龍神丸-再会-」は、20年1月からYouTube「BANDAI SPIRITS公式チャンネル」で全9話、配信された新シリーズに新規追加カットを加えた特別編集版で、全国34館の劇場で3週間限定上映する。

田中は立ち上げから約34年、ワタルを演じ続けてきた。「何か大昔の作品が、こんなふうに映画館でやれたり、本当にうれしいです。(放送が続いた期間は)割と短い間ですけど、濃いファンがいて『やって欲しい』という声はあったけれど…ワタルという名前が使えないとか、いろいろ問題があって、もう立ち上がるって2回、ポシャッた。話半分で聞いていて、令和になって映画になるとは思っていなかった」と感慨深げに語った。映画の全国上映はシリーズ初で「(テレビアニメの放送当時)盛り上がったのに映画の話がなかった。あの頃、やってもらえば良かったんですけど、うれしいな、うれしいな」と笑みを浮かべた。

田中は、大ファンを公言する宇宙海賊ゴー☆ジャス(43)が

「88年に始まり、ワタルは10歳。昭和53年生まれ…僕もそうなんですよ。ワタルが冒険する、ともに成長するのがリンクして見えた。ラジオドラマも、福島県出身で(東京の番組が聴きにくい中)雑音リスナー…ベランダで聴く勢い」

「田中さんのラジオに葉書を出して、読まれて…すごい人生。オタクの少年は宇宙海賊になって、田中さんに会えた」

などと熱く語るのを聞き「(ファンが)40歳前後になって…お手紙を頂いても、実際にはお会いできないんですけど、好きな人が大きくなって働いていて、世の中を動かしているのはゴージャスさんの世代」と感慨深げに語った。

田中は「-七魂の龍神丸-再会-」について「(配信シリーズは)撮っている時、短いのをオムニバスのようにやっていたんですけど(アフレコ時には)絵がなかった。(映画版で追加カットを見て)つながって、こうなるんだと…映画だけ見ても分かるね、という出来栄え」と高く評価した。今作も、忍部ヒミコ役の林原めぐみ、虎王役の伊倉一恵、剣部シバラク役の西村知道、龍神丸の玄田哲章と、スタート当時と同じレギュラー声優陣が継続出演している。アフレコについて、田中は「コロナ禍で昔みたいに撮れなかった。何人もスタジオに入れない。1人で撮って…最大3人。すれ違うと、うれしくてワーッという感じ。もう1人が何時に来ると言うと、会いたくてロビーに待っていたり」と同窓会的なムードだったと明かした。

今年の目標を聞かれると、田中は「頑張らない。でも、なまけない」と口にした。その心を問われると「頑張っちゃうと、すぐ骨折しちゃう年齢なんですよね」と苦笑した。主宰する劇団「おっ、ぺれった」が2月に都内で、ラサール石井作・演出の33周年記念?公演「ハードボイルド母ちゃん」を開催することを踏まえ「アクションミュージカルコメディーなんです。この年…67歳でスパイの役でアクションがいっぱいある。なので、うっかり足蹴りして、戻しが速いと筋肉が切れちゃったり…いろいろなことが起こるので頑張らない…なまけすぎない程度に頑張ろう」と説明。その上で「心は小学5年生!」と意気込んだ。