歌手ASKA(63)が7日、東京・府中の森芸術劇場に1500人を集めて2年ぶりの全国ツアー「ASKA プレミアムコンサートツアー-higher ground-アンコール公演」の初日を行った。バックにバイオリンやチェロの弦楽器奏者11人を迎え、バンドと自身の三位一体のステージを披露した。

昨年10月に32年ぶりにリメークしてリリースした「PRIDE」や「はじまりはいつも雨」など、CHAGE&ASKAの曲、昨年7月発売の「笑って歩こうよ」など全22曲を熱唱した。「とっておきのアンコール曲」と紹介した、88年に光GENJIが大ヒットさせた自身の作詞・作曲による「パラダイス銀河」では、ローラースケートで滑るまねのパフォーマンスも繰り出した。

ASKAは「長かった、いや~長かった。皆さんの前で歌うのは1年8カ月、やん、いや2年ぶりです。その間、2回オンラインライブをやりました。初日の今日が、全ての基準になりますから楽しんでください」。コロナ禍で声が出せない観客も手拍子とスマホの画面を光らせて応援。「皆さんしゃべれないんですよね。こんなにお客さんがクワイエットなのは初めて」と話した。

前日に降った雪の影響で都心の高速道路の入り口が封鎖される中、ASKAは「今日は渋滞で会場に着かなきゃ行けない時間に、まだ新宿にいました。車を駐車場にぶち込んで乗り捨てて、電車でやってきました。取りあえず駐車場だから、僕らはその駐車場所を見つけられるでしょうか。誰も覚えていない」と笑った。

昨年11月8日、長年ASKAのバックでドラムをたたいた菅沼孝三氏が62歳の若さで大腸がんで亡くなった。この日は、菅沼さんの娘で弟子でもあるSATOKOがドラムをたたき、ド迫力のパフォーマンスを見せた。ASKAは「SATOKOも素晴らしかったよ。SATOKO、お前すごいな。お客さんが俺の歌を聞いてないくらいだ」とほめ、SATOKOも涙ぐみながら笑顔を見せた。

終演後は、ASKAは「コロナ禍の制限下コンサート、観客の皆さんも久しぶりなので、最初はライブ空間の中でどう反応すれば良いか迷っていらっしゃいました。でも、精いっぱいの気持ちを舞台上でひしひしと感じていました。最初から最後まで一体でした。今、国内の状況には不安はあります。でも僕らは、可能性を信じて、全国ツアー最終日の4月13日まで走り続けます」とコメントを発表した。

4月13日の東京国際フォーラムまで全13公演が行われる。