全国高校サッカー選手権で圧倒的な強さを見せつけて高校3冠を達成した青森山田(青森)の黒田剛監督が、高校サッカー界で高まる〝青森山田包囲網〟への思いを吐露した。

 青森山田は4―0で大津(熊本)に圧勝して3大会ぶり3度目の優勝を果たした。インターハイ、プレミアリーグEASTと合わせて〝高校3冠〟の快挙となった。

 黒田監督は試合後の会見で「春から打倒青森山田という声が全国各地から聞こえてきた。『山田をどこが倒すんだ』という声も聞こえてきた中で、選手たちの耳にも入っていたと思うし、かなりの重圧やプレッシャーが彼らの肩にのしかかってきたのは我々も見てとれた」と最強軍団ゆえに、全国の高校から標的とされる強烈な重圧があったことを告白した。

「ただ、その何倍ものパワーを感じたし、そんなものは簡単にはねのけるくらいの彼らの勝ちたいという意欲が、すごく1年を通して見れた。3冠をやるなんて今の時代そんな甘いもんじゃないとも思ったが、本当に力強いチームだったと実感できる」と選手が重圧に潰されることなく糧にして、さらに進化を遂げたと指摘した。

 そのうえで「(決勝で敗れた)昨年、一昨年の失敗を学習して、今年はそれを絶対失敗しないようにということだった。青森山田が1年間志向してきたことだけを信じてやろうと。すべてにおいて何でもできるサッカーを志向してきた。それが決勝で見せたサッカーになると思う。すべてにおいてパーフェクトなサッカーを見せてくれた」と現在のメンバーを絶賛した。

 まさに高校サッカー史上最強と呼ぶにふさわしい青森山田の驚異的な強さだった。