「第7回上方漫才協会大賞」の受賞者が10日、大阪・千日前のなんばグランド花月で発表され、昨年活躍した芸人53組の中から「すゑひろがりず」(南條庄助=39、三島達矢=39)が大賞に輝いた。和装で鼓を奏でる、現代の漫才としては異色なコンビ。M1グランプリの決勝経験(2019年)もある実力者だが、受賞後の漫才では南條が鼓を鳴らし忘れるほど緊張していた。

受賞後の会見で、南條は「自分たちのスタイルで選んでいただいて、うれしいです。漫才で賞をいただいたので、今後はテレビで見せるネタに力を入れていきたい」と抱負。三島も「偉大な賞をいただいたので、今後もひとつひとつの舞台を大切にしていきたい」と喜びをかみしめた。

同協会の中田カウス会長(72)は「二人は古い形の漫才を新しくして見せてくれた。相当ネタを研究したのだと思う。これからも長く生き残ってほしい漫才です」と高く評価した。

芸歴8年以下が対象となる新人賞にはドーナツ・ピーナツが選ばれた。「賞をもらったのは初めて」というコンビは、ともに29歳。「まだまだ若手なので、いろんな人に見てもらいたいです。他の賞レースにもどんどん挑戦します」と貪欲な姿勢を見せた。

他の受賞者は、特別賞プラス・マイナス。話題賞オズワルド、オダウエダ。文芸部門賞ヘンダーソン、ツートライブ、マユリカ、滝音、カベポスター。トータルコーディネイト部門賞なにわスワンキーズ、ラニーノーズ、ゆにばーす。

 

◆上方漫才協会大賞 上方漫才協会(2014年設立)が主催。今回はオズワルド、ロングコートダディ、コウテイ、蛙亭、ニッポンの社長らもノミネートされていた。第1回はアインシュタインが受賞。以後吉田たち、トット、見取り図、ミキ、ミルクボーイが選出された。