名球界基準の改正議論を巻き起こせるか。西武・中村剛也内野手(38)があと58本に迫る「通算500本塁打」に強い意欲を見せている。

 球団施設で11日に自主トレを公開し「去年はキャンプの2日目くらいに足をケガしたので、そういうことがないように自主トレをやる時はやって、やらない時はやらない。メリハリをつけてケガをしないようにやりたい」と語った。

 ここまでの通算本塁打数は長嶋茂雄(巨人=444本)に2本差と迫る442本(歴代15位)。安打数でも名球会入りの基準となる2000安打まで356本と迫る1644安打と大きな数字が見えてきている。

 中村はこの2つの数字に「2000本(安打)ももちろんすごい数字ですけど、やっぱり僕は昔からホームランにこだわってきたので、あと8本で450本もありますし」。目指す数字は2000より500であることを明確にした。

 現在の名球会入会基準「①NPBの選手、元選手 ②昭和生まれ以降 ③日米通算で200勝以上、250セーブ以上、2000安打以上のいずれかをクリア」。中村の目指す500本塁打はその要件とはならない。

 しかし、相次ぐ故障と戦いながら歴代3位となる6度の本塁打王、歴代ダントツ1位の22本の満塁本塁打をマークする希代の本塁打王が、これまでわずか8人しか到達していない500号を達成すれば、野手の入会基準の見直し議論が起こる可能性も出てくる。

 球団関係者が「サンペイ(=中村の愛称)の2000安打は難しいけど、500号を打って(改正)議論を起こすことこそが本人の価値を高めることになるのでは?」とエールを送るように、中村の価値はその基準に収まらない部分にこそある。