マグロ守護神の復活だ。ソフトバンク・森唯斗投手(30)が、15日に宮崎市内で行っている自主トレを公開。後輩の甲斐野、津森、奥村らと早朝から約6時間みっちり汗を流した。

 1時間以上のランニングメニュー、森はリーダーらしく常に先頭を走った。昨年末「手を抜いている人間がいたら、福岡に帰します」と〝強制送還〟をにおわせていた右腕。「イエローカードも出しながらですが…」と冗談っぽく笑う姿からは充実感が漂っていた。この日はブルペンにも入り、状態を確かめるように立ち投げで20球を投げた。前日に続くブルペン入りで調整は順調そのものだ。

 昨季は左肘の炎症、手術の影響で自己最少30試合の登板にとどまり「やっぱり投げられなかったことが一番悔しかった」と振り返る。その上で「絶対にしないといけないこと」と強調したのが、全試合一軍帯同。投げるだけでなく、ブルペンの雰囲気づくりにおいて森は唯一無二の存在。「まずは自分のこと(が第一)ですが、しっかり周りも見ていきたい」とリーダー皆勤を約束した。

 昨季は離脱後に強い責任感から急速仕上げで一軍復帰を急いだこともあって、シーズン終盤は球速が戻らず本来の姿を見せられなかった。それでもこの日、後輩を圧倒した走力が証明するように状態の良さが完全復活を予感させる。「もう一回、自分の力で(抑えを)掴み取りたい」と言葉には自信がみなぎる。

「いけるだけ投げます」。家業が漁師とあって、かつて「止まったらマグロのように死んでしまう」と自らの生きざまを24時間泳ぎ続けるマグロに重ねたこともある守護神。去年投げられなかった分、投げまくる、抑えまくる。