不動心を貫き逆転Vを狙う。大相撲初場所9日目(17日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)が幕内北勝富士(29=八角)を難なく退けて8勝目(1敗)。勝ち越しを決めた。

 左の下手を引いて相手の出方をうかがうと、鮮やかな下手投げで土俵に転がした。取組後は「よかったと思う。落ち着いてやろうと思っていた。(最後の投げは)結果的にそういう形になった」と振り返った。勝ち越しを決めたことには「まだ場所が終わったわけじゃないんで残り、頑張ります」と語るにとどめた。

 この日、関脇御嶽海(出羽海)が全勝をキープ。結びの一番の前でプレッシャーをかけられた形となったが、動じる様子は一切ない。土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「落ち着いている。無理せず、あのままのけぞって出ると逆転もあるけど、しっかり自分の体勢に戻した。慌てずに料理したということ」と横綱を評価した。