世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC270」が1月23日(日本時間)、米カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催される。メインイベントは、正規王者フランシス・ガヌー選手と、暫定王者シリル・ガーン選手のヘビー級王座統一戦。さらに、王者ブランドン・モレノ選手と、前王者デイブソン・フィゲイレード選手によるフライ級タイトルマッチも行われる。「UFC270」の見どころを、WOWOW「UFC-究極格闘技-」の解説者で、“世界のTK”として知られる高阪剛さんに語ってもらった。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
ガヌーとガーンなので、ちょっとややこしいですけどね(笑い)。
ただ、名前は似てるけど、両者のファイトスタイルはある意味で真逆だと思うんですよ。大ざっぱに言うと、ガヌー選手は短距離型で100メートルをどれだけ速く走るかというタイプで、ガーン選手は中距離型。ペースを握って、後半追い上げるというレース展開をしっかりと考えるタイプですね。
両者共に一発で倒せるだけのパンチ力を持っているのですが、ガヌー選手はそれが桁違いに飛び抜けています。
だからガヌー選手の場合は、その自分の力をいかにコントロールできるかがポイントになるんです。当たればKOできるけれども、パワーの出力が大きいから、もし逃れてしまったらガス欠してしまう恐れがある。前回のスティーペ・ミオシッチ選手からヘビー級王座を奪取した試合では、そうならないために、ちょっとスロースタートというか、慎重でしたよね。出力のコントロールをすごく意識してるなというのが見えたんですよ。
--それまで4試合連続で秒殺KO勝ちでしたが、ミオシッチ選手戦では2ラウンドKO勝ちでした。
それはミオシッチ選手のような打撃の技術が高い選手にしのがれた場合、後半失速することを自分で理解しているからだと思うんですよね。タイトルマッチなので、5ラウンド制ということもあるし。
だから結局、倒せるところでいかに強い打撃を入れるか、という部分は変わってないと思いますが、攻撃の出力のコントロールを意識するようになってきましたよね。
その可能性はありますね。今回はヘビー級王座統一戦で、ナンバーシリーズのメインイベントという注目度の高い試合ですけど、ガーン選手はそこで派手な勝ち方をしようみたいな意識はせず、自分の戦い方を貫くと思うんですよ。要はスタンドの距離設定を遠目に置いて、序盤からフットワークと足技を使って、ショートレンジの打撃をとにかくもらわないようにするという。
前回のデリック・ルイス選手戦でも、ちょっと距離がつまりそうになったら、すぐサイドステップを使って離れて、フットワークでオクタゴンの広さを充分に使って、焦らして焦らして最後はKOしましたからね。
そう考えると正直、ガヌー選手は分が悪い。だからこそ、これは期待を込めてなんですけど、ガヌー選手にしょっぱなからガンガン行ってほしいなと思うんですよ。ガーン選手は試合を作るタイプなので、自分の距離設定や形が定まる前にプレッシャーをかけられると、モロさが出るタイプ。そこを突くことができれば、ガヌー選手が一気にペースを握ることも可能だと思うんです。
そうなればガヌー選手のものだと思うんですよ。ただ、ガーン選手の方も、もしそうなったときの準備はしてくる気がするんですよね。ガーン選手はボディーブローなんかもしっかり打つので、至近距離になったときに腹を効かせたり、すぐ組みついて膝を入れたりしていくと、ガヌー選手の失速のスピードも速くなると思うんです。だからガヌー選手はインファイトに持ち込むんだけど、近付き過ぎないようにする必要がある。その辺の駆け引きがあるなと予想しますね。
そうですね。後半になるとガヌー選手はキツくなるでしょう。ガーン選手は後半伸びてきますから。あのヘビー級の体で、後半に強いというのはすごい身体能力ですよ。だからガヌー選手からしたら、序盤にペースを握れるかどうかが勝負ですね。
最重量級と最軽量級というこのコントラストが素晴らしいですね。それだけでも今回の
UFCは面白いですよ。
第1戦当時はフィゲイレード選手に内臓疾患があったんですよね。
そういった事情もあったので、第2戦のときは「フィゲイレードが万全ならモレノは相手にならないんじゃないの?」っていう予想が多かったと思うんです。けれど、モレノ選手があのネチっこさと、先の先まで読んで相手を巻き込んでいくフライ級らしい戦いぶりで、見事に完勝したという。
フィゲイレード選手はフライ級の選手ですけど、重いクラス寄りの試合のやり方をするんですよね。軽量級なのに一撃で倒せるような打撃の破壊力があって、なおかつ技術も高い選手。
だからこの試合も対照的ですよね。モレノ選手の方は、常に仕掛けて常に動き回って、最終的にしつこさで相手に逃げ場をなくして勝つような試合をする。フィゲイレード選手はとにかく一発効かせて、立ち技でも寝技でも相手が崩れたところを一気にフィニッシュする。だからこそお互いスイングするというか、いい試合になるんでしょうね。じゃなかったら、3連戦なんか組まれないですよ。
モレノ選手の試合のやり方として、3戦目だからといって、何か特別変えようとはしないと思うんです。ただ、フィゲイレード選手はしょっぱなのプレッシャーが非常に強く、距離も遠い間合いから一気に詰めるステップインがものすごく速いから、そこを警戒するとは思います。
だけどモレノ選手は組むタイミングが絶妙なんですよ。パンチを一瞬当ててすぐに組みついたりとか。相手が強打を振ってきたところでサッと懐に入って、テークダウンに持ち込むとか。四つぐらいの動きが一体化しているんですよね。一つのことに固執せず、すぐ連続的にいろんなことができるから、たとえ途中でテイクダウンを奪われたとしても、すぐ自分の優位なポジションに戻せたりするんです。
動き出しはフィゲイレード選手の方が速いんですけど、それに対する切り返しがモレノ選手の方が0コンマ何秒速いんですよ。だから、気が付いたらフィゲイレード選手が後手に回っているという。モレノ選手はそういう巻き込み方をするので。
そこだと思うんですね。ただ、下手に考えすぎても良さが消えてしまうような気がするんですよ。フィゲイレード選手は感覚で動けるタイプだと思うので。だから慎重になり過ぎず、自分の爆発力をどれだけ作戦に落とし込めるか。そこがポイントになると思いますね。
WOWOWでは、「UFC270」の模様が「UFC-究極格闘技- UFC270 in カリフォルニア 最重量級頂上決戦!ヘビー級王座統一戦 ガヌーVSガーン」と題して、1月23日正午からWOWOWプライムで生中継。また、29日午前4時55分からWOWOWライブでリピート放送される。両日とも、WOWOWオンデマンドで同時配信される。
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