大相撲初場所12日目(20日、東京・両国国技館)、関脇御嶽海(29=出羽海)が幕内阿武咲(25=阿武松)に引き落としで敗れ2敗目を喫した。取組後、本人はノーコメントで引き揚げたが、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「立ち合いに切れがなかった。思い切りがなかった」と敗因を挙げた。

 2敗目を喫したとはいえ、昨年秋場所は9勝、先場所は11勝で迎えた今場所は、初日から気迫の9連勝。大関昇進の目安となる「直近3場所を三役で33勝以上」に必要な13勝が現実的となり、かつてないほど機運が上昇している。三役で一度も経験がなかった連続2桁白星もすでに達成した。

 地元の長野・上松町も大いに盛り上がっていると思いきや、本場所中に応援ツイッターを頻繁に更新する、地元マスコット「上松太郎」が〝所属〟する同町観光協会の担当者は「(盛り上がりは)まだそれほど感じられないかなと。もちろん優勝はぜひと思っていますが、完全に大丈夫と言い切るのはまだ…」と慎重だ。

 一方で同町は今年で町制100周年のメモリアルイヤー。新型コロナウイルス禍の状況を見ながら式典などを計画しており、同関係者は「御嶽海関にもぜひお越しいただいて盛り上げてもらおうと思っております。お越しいただくのは11月あたりになると思いますが、大関となってというところでしょうか」と期待を寄せる。

 これまで過去2度の昇進チャンスを逃してきたが、地元の特別な年に大関として凱旋することができるか。