昨年8月、新型コロナウイルス感染による肺炎のため82歳で死去した俳優千葉真一さんのお別れの会が22日、東京・増上寺で行われた。

千葉さんが設立したジャパン・アクション・クラブ(JAC)のメンバーが発起人となり、千葉さんの誕生日に開催された。多くのファン、関係者が訪れ、千葉さんとの別れを惜しんだ。

俳優岡崎二朗(78)は、「最後の映画俳優、大先輩、千葉真一さん。これで本当にお別れしなければなりません」と切り出し「東映に入った時、鉄棒で大車輪の練習をされていらっしゃった、すでにスターだった千葉さん。練習風景に大きな人の輪ができていました。私を見つけると、汗を拭きながら『二朗ちゃん』と声をかけられ、千葉部屋に通された。この部屋を一緒に使おうと言ってくださったのが出会いでした。先輩24歳、私が19歳の真夏の時でした」と千葉さんとの出会いを振り返った。

千葉さんについて「発想力、想像力、桁違いで、台本を一冊読むと頭の中に映画が一本出来上がるようなお方でした」。

「激動の映画人生、燦然(さんぜん)と輝く栄光の数々、そして挫折も味わいました。先輩の壮大な夢と演技者を超えたありあまる才能がゆえのこと。対立もありました。役者バカになれない、そんな人でした」と映画人として生きた千葉さんをたたえた。

お別れの会では、千葉さんが生前に描いた富士山の絵をモチーフにした豪華フラワー祭壇が設置された。「日本初の映画葬」をうたい、LED大型スクリーンが設けられた。秘蔵映像を鑑賞、「戦国自衛隊」「柳生十兵衛」などで使用した秘蔵のコスチュームや名刀、高倉健さんに送った直筆手紙、数々の遺品も展示された。