昨年8月、新型コロナウイルス感染による肺炎のため82歳で死去した俳優千葉真一さんのお別れの会が22日、東京・増上寺で行われた。

千葉さんが設立したジャパン・アクション・クラブ(JAC)のメンバーが発起人となり、千葉さんの誕生日に開催された。多くのファン、関係者が訪れ、千葉さんとの別れを惜しんだ。

俳優岡崎二朗(78)は、千葉さんが長男新田真剣佑、次男眞栄田郷敦とのハリウッド共演という野望を自身に提案していたことを明かした。「晩年描いていたのは、真剣佑、郷敦とともに世界に羽ばたく親子鷹でした。上ってきた激流の川を振り向けば、逆流を息子達が上ってくる。迫ってくる。心穏やかではありませんでした。天下の負けず嫌いです。『二朗ちゃん映画作ろう。いい脚本家いたら紹介してくれ』。企画書を見ると、真剣佑、郷敦を従えた主演作品。『グレートファーザー』でした。『まだまだやる。ハリウッド映画ラストランだ』。大人の夢を追いました。筋骨隆々。クリント・イーストウッドがダぶって見えました」。

続けて「それから1カ月、危篤の知らせが私を襲いました。奇跡は起きませんでした。どんなに悔しかったでしょう」と千葉さんを思いやり、「あなたの夢を、息子がかなえてくれています。サニー千葉ジュニアとして新田真剣佑が世界に羽ばたいております。ハリウッドに金看板を掲げています。どうか、その優しいまなざしでそのまぶしい笑顔で、夕日の向こうから見守ってください。千葉真一は、永遠の美しき勇者です。お疲れ様でした。そしてありがとうございました」と語りかけた。

発起人の1人を務め、16歳でJAC入りした千葉さんの弟子で俳優の若山騎一郎(57)は、囲み取材に応じ、3人の共演企画について「企画はいっぱいありました。水戸黄門もやりたいって。助さん格さんを真剣佑、郷敦で、自分が黄門様。企画自体は100くらいあったんじゃないか」と明かした。

お別れの会では、千葉さんが生前に描いた富士山の絵をモチーフにした豪華フラワー祭壇が設置された。「日本初の映葬」をうたい、LED大型スクリーンが設けられた。秘蔵映像を鑑賞、「戦国自衛隊」「柳生十兵衛」などで使用した秘蔵のコスチュームや名刀、高倉健さんに送った直筆手紙、数々の遺品も展示された。