【病院通いになる前に健康寿命をのばす! プレメディカルケア】

 年明けから始まった新企画。水泳五輪代表選手やプロサッカーチームをはじめ、小学生から90代まで、延べ5万人の体の悩みを聞き、メンテナンスを行ってきた新進気鋭のスポーツトレーナー・永井正彦氏が、ケガや生活習慣病を未然に防ぐヒントを、過去の事例を使って伝授します。

【お悩み】彼氏から「体が硬いから太りやすいんじゃない?」と言われました(30代女性)

【アドバイス】入浴しながらできるストレッチがお勧めです。

【解説】体が硬いとは、関節の可動域が狭くなっているということです。

 関節の可動域が狭いと、動かす範囲が限られてしまうので、その周りの筋肉も硬くなってしまいます。筋肉が硬くなると血液循環が悪化することで基礎代謝も下がるので、肥満になりやすい傾向があります。

 相談に来られた女性もそうでしたが、体が硬いと自覚している人の話を聞いていると、シャワーは毎日浴びていても、入浴はしていない人はかなり多いと感じます。血行が良くなると関節可動域も広げやすくなるので、彼女には入浴中に行えるストレッチを提案しました。

 足の伸ばせる浴槽なら、長座の姿勢でつま先をつかむだけでも太もものストレッチ効果が得られます。小さい浴槽なら首筋に手をあてて天地左右にゆっくりなでるだけでも、血行が良くなって首こりも和らげられます。

 1か月後に来られた彼女は、彼氏から全体的にスリムになったと言われたと喜んでいました。毎日の入浴も楽しみになったそうで、股関節などの関節の可動域も以前より広がっていて、顔色も良くなっていました。

 頭寒足熱という四字熟語があり、昔から頭を冷やし、足を温めると全身の血流がスムーズになるので健康にいいと言われています。お風呂嫌いでどうしてもシャワーだけという人であれば、バケツや洗面器に熱めの湯を張って両足を温めながらシャワーを浴びたり、テレビを見ながらバケツ足湯でリラックスというのもお勧めです。

 血行が良くなると脳も活性化されるので、夏場でも床暖房が入っているデイケアもあるほどです。 

◆永井正彦(ながい・まさひこ)1980年6月28日、東京都生まれ。スポーツトレーナー。2005年に都内でスポーツ整体「プレメディカルケア」を開業。パラ水泳の宮崎哲選手や津川拓也選手のパーソナルトレーナーも務めている。