関西テレビの羽牟正一社長(69)が25日、オンラインで新春社長会見を開いた。

 昨年12月、女優の神田沙也加さんが急死し、父の神田正輝と母の松田聖子が報道陣に対応した際、一部マスコミから「今のお気持ちは?」との質問が投げかけられた。これを受け、同局の報道番組「報道ランナー」のMCを務める新実彰平アナウンサー(32)が「『何か一言』なんて聞くもんじゃないですよ。誰が言ったか分からないけど。わざわざこうやって顔を出してくださったんだから、それで十分だという風に思います」とたしなめたことが話題になった。

 羽牟社長は新実アナの発言について「新実君の発言というのは、あの場面では個人的にはすごく真っ当な発言だったのかなと思う。ただ、マスコミの人間として、影響をもつ人間として、私もすごく悩みどころではあると思うが、個人としてはその通りだと思う」と感想を述べた。

 続けて「発言自体がどうなのかとかいろんなことを考えた時に、とっさにああいう言葉が出たんだと思うがどうなんでしょう。正しいか正しくないかというのは。私自身はキャスターとしてどうだったのかは、あれはあれで十分に画面を見ている方にも伝わったのかなという風には思いますけれど」と語った。

 自身も報道に身を置く新実アナの発言には賛否両論が集まった。新実アナはその後、自身のツイッターで「私も現場時代、意義を見出せぬままご遺族にマイクを向け幾度も怒鳴られた。一方で、粘り強い取材という名の伴走でご遺族の心の拠り所となり、社会変革さえもたらす記者もいる」「〝答え〟はない。清濁合わせ飲む現場の苦労にフリーライドしている今の卑怯な立場を自覚しつつ、これからも悩みたい」などと投稿していた。