歌手アグネス・チャン（66）が26日、東京・中野サンプラザで日本デビュー50周年記念コンサート「アグネス・チャン　平和の歌声よ、届け！　歌でつづる私の半世紀」を開催した。

開演前に取材に応じ「本当に信じられないです。50年前は何も分からない小娘だったので、香港からやって来て、半世紀もみなさんが応援してくださって50周年を迎えられるのは感無量です」と語った。

コンサートでは公演に合わせて制作した新曲「淋しい羊は眠らない」などを披露。タイトルには「私の生涯の願い」という平和の2文字も添えた。あらためて周囲のサポートに感謝し「今日は起きて空を見た瞬間に泣きそうになりました。今日50周年なんだ、コンサートをやるんだと。きっとみなさんがいなかったら、いろんなことができなかったでしょうし、自分1人でやることはありえないと思うんですよね。今、立っているのはみなさんの愛情の結果です。本当にそう思います。ありがとうございます」と頭を下げた。

50年の歩みについて聞かれると、故郷の香港を離れた時のこと、留学、子育て、闘病などさまざまなことを振り返った。17歳の時に「ひなげしの花」で日本デビューした当時の自分へのアドバイスを聞かれると「『失敗を恐れずに、感謝の気持ちを持って、ひとつひとつの仕事を大事にしなさい』と言いたいです。『夜に1人で泣かないで頑張れ』とも言いたいと思います」と笑顔で語った。

来日当初は言葉の壁もあって友達がなかなかできなかったといい「不安なんですよね。日本の芸能界がすごく大きく見えるんですよね。不安な気持ち、寂しい気持ちをぶつけるところがなかったから。母を思い出して泣いたりすることもありました」と振り返った。支えになったのはファンレターだったとも語り「ファンの方が増えてきて、1年、2年たった段階であんまり泣かなくなりました。ファンレターで、小さい子が絵とかを送ってくるんですよね。寂しくなったらファンレターを出してずっと読んでいました。思わず笑顔がこぼれて慰められるんですよ」と話した。

この夏で67歳を迎える。「もう少し日本語がうまくなりたいなと思います。なまりがとれたらいいな」と自虐気味に語りながら「姉が言うには（年齢の）数字は忘れて、自分の体力と相談して、何ができるようになるのか、毎日自分と向き合って考えていけばいいんだよと。いろんな仕事をくださるみなさんと相談して、楽しいなと感じるようなチャンスがあるとやっていきたいと思います」と意気込んだ。

この日、2000年の日本クラウン移籍後のオリジナル曲を全て収録した記念アルバムを発売。このほか「私にとって大きな挑戦」と語った著書「スタンフォード大学に3人の息子を入れた賢い頭としなやかな心が育つ　0歳教育」も2月18日に発売予定だ。

アグネスは「0歳から1歳までは脳の成長の黄金期。受け答えなどの基礎を作ってあげられます。ただ寝ているだけの赤ちゃんだと思わずに1年間頑張れば、子どもにとってはかけがけのないくらいすごく大きな脳の成長と感情の成長ができる。最大限の可能性を伸ばしてほしい」とPRした。