大学入学共通テストの試験中に世界史Bの出題内容を写した画像が流出した問題で、大阪府に住む大学1年の女子大生(19)が27日、家族とともに香川県警に出頭。「1人でやった。自信がなかった」「スマートフォンを上着の袖に隠して撮影した」と話している。警視庁は捜査員を現地に派遣し、偽計業務妨害容疑を視野に事情聴取して任意で捜査を進める方針。 

捜査関係者などによると、女子大生は「東京都内の大学に入学するために大阪府内の試験会場で受験した」と説明。「成績が上がらず魔が差した。世界史Bだけやった。ばれたらまずいと思い、他の科目はやらなかった」という趣旨の話もしている。

 女子大生は15日午前に行われた世界史Bの試験中、家庭教師紹介サイトで知り合った東大生2人に問題の画像約30枚を送信し、「家庭教師の実力を知りたい」として問題を解くように依頼。ほかにも複数の大学生に接触していたという。

 まさにSNSが発達した時代だからこそ起きたカンニング事件だが、防ぐ方法はないのか?

「カンニングそのものが高度化して、試験官が気付けなくなっている。例えばメガネ型のカメラでWi―Fi通信できるものまで登場し、もはや『007』や『ルパン三世』の世界。アルバイトの試験官も少なくなく、見抜くのは難しい」(大手予備校講師)

 今回の女子大生はスマホのみを使用したが、これからますます増えるであろうデジタル機器を使用した“ハイテクカンニング”を防ぐために効果的なのは、ジャマーと呼ばれる通信抑止装置だという。

 だがジャマーを使用するためには無線局の開設が伴うため、免許が必要となる。平等を期すためには全国の試験会場で使用する必要があるが、すべての会場に免許所持者を配置するのは容易ではないだろう。

 とはいえ、今後も進化するハイテク機器を利用したカンニングは増える可能性が高い。何らかの対策が必要なのは間違いない。