京都・南座の「三月花形歌舞伎」(2~13日)取材会が28日、オンライン形式で行われ、坂東巳之助(32)中村壱太郎(31)中村米吉(28)中村隼人(28)中村橋之助(26)が参加した。

歌舞伎界でも新型コロナウイルスの感染拡大が深刻となっており、橋之助も濃厚接触者で1月の歌舞伎座公演を休演。前日27日には父中村芝翫の感染が発表され、父は同千秋楽休演となった。

橋之助は父の状態について「ご迷惑、ご心配をおかけしております。申し訳ないです。容体もだいぶ回復しておりまして、今は安静にしております」と報告した。

また、自身については、中村虎之介の濃厚接触者に該当する疑いで一時休演。橋之助は「大事をとって3兄弟でお休みをさせていただきました。しっかり、おウチにいて、この(3月南座公演)こと、来月の博多座に向けて、今まで以上に時間をさくことができ、お芝居に向き合うことができました」と、前向きにとらえ、準備を進めていたと明かした。

備えてきた南座公演の「番長皿屋敷」では、青山播磨を隼人とダブルキャストで臨む。直情型の旗本で、お菊への不信感から殺してしまう役柄だ。「お菊への愛、細かい部分も意識して」仕上げるといい、共感できる部分には「ないと思っていた」と言いながらも、米吉から鋭い指摘があったと吐露。「思い詰めちゃうタイプ。口にしなくても思っていれば伝わると考えるところ、まっすぐなところ」と、複数箇所の共通点をあげられたと明かした。

今公演は12日間の短期公演で、壱太郎は「無事に千秋楽を迎えることは普通じゃない時代になった」と、コロナ禍での演劇界の厳しさに言及。それでも「その中で、せっかく来ていただいたお客様に、少しでもプラスになるよう、お土産的なもの(思い)をお渡しできるように、心を込めて務めたい」と話した。