さらなる高みへ駆け上がる。日本ボクシングコミッション(JBC)と東京運動記者クラブ・ボクシング分科会は29日に2021年度年間表彰の各賞の受賞者を発表。技能賞はWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)が獲得した。

 3年連続3度目の同賞受賞となった井岡は「このような難しい時期に試合ができたことを、関係者の皆様、スポンサーの方々、応援してくださるファンの方々に深く感謝申し上げます。技能賞として評価していただきまして、大変うれしく思っております」と喜びを語った。

 襲い掛かった災難を、実力で跳ね飛ばした1年だった。20年大みそかに田中恒成(畑中)を破り同王座のV2を果たすも、試合中にタトゥーが露出し、大論争に発展。4月には、その試合でドーピング疑惑がかけられる。原因はJBCのずさんな尿検体の管理だったが、家族にまで誹謗・中傷が及んだ。また、大みそかに念願のIBF世界同級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦が組まれるも、コロナ禍で延期になった。

 しかしどんな逆風にも、リング上でしっかりと結果を出し続けた。9月にフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)、大みそかに福永亮次(角海老宝石)を撃破。自分が勝負する舞台で、さすがの強さをアピールした。

 同級の4団体統一を見据え、今年は一層の飛躍が期待される。井岡は「今年もこの賞に恥じぬよう、さらなる高みを目指して精進してまいりますので、応援よろしくお願いいたします」と決意を示した。