前人未到の野望が現実味を帯びてきた。冬季五輪史上最多8度の出場経験を持つノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(49=土屋ホーム)が30日、スキージャンプ「雪印メグミルク杯」(北海道・札幌市大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)で4シーズンぶりの国内大会優勝を果たした。

 葛西は1回目138メートルで2位、2回目137メートルで合計260・5点をマーク。2017年11月の全日本選手権ラージヒル(NHK杯)以来となる逆転Vを成し遂げ「帰って来たぞー」と喜びの声を上げた。今年6月6日に誕生日を迎えるレジェンドは「50歳でもやれるところを見せたい」と抱負を口にしたが、野望はもっと先にある。

 昨年秋、北京五輪出場が絶望となった葛西は本紙に「辞める気は全くない。いけるところまでいく」と断言。さらに4年後のミラノ大会、8年後に招致を目指している自国開催の札幌大会も視野に入れた上で「還暦まではできるんじゃないかな」と本音を明かしている。

 北京大会ではテレビ解説を務める予定だが、いまだ現役アスリートとしてギラギラと輝いている。