日本男子卓球に新たな風を吹き込んだ。卓球の全日本選手権最終日(30日、東京体育館)、男子シングルス決勝は戸上隼輔(20=明大)が松平健太(30=ファースト)を4―2(11―9、10―12、11―7、8―11、11―6、11―6)で撃破し、初優勝。男子ダブルスとの2冠を飾った。

 1ゲーム目を先取して優位に立つと、最後まで攻撃的なプレーで押し切った。2024年パリ五輪を目指すホープが初の日本の頂点に立ち「一球一球、集中して自分のプレーができれば結果に結びつくと思っていたので、いい方向に行った」と喜びを口にした。

 攻撃的なプレー同様、発言にも強気な姿勢を心掛けているという。大好きなプロレスから見習ったという戸上は「それをすることで、格上に臆することがなくなったり、緊張で負けたというのがなくなった。好きなプロレスラー? 新日本プロレスの内藤哲也選手。かっこいい。棚橋弘至選手はみんなに愛されている。憧れの人物像がプロレスラーにたくさんいて影響されている。僕も〝100年に一人の逸材〟戸上隼輔です(笑い)」と理由を説明。

 そのうえで、東京五輪卓球混合ダブルス金メダリスト・水谷隼の後継者に名乗り。「水谷選手がいなくなって、1つ枠が空いたとプラスにとらえている。パリは自分が引っ張りたいという強い覚悟を持って頑張っていきたい」と今後を見据えていた。