日本ハムの「コロナ感染」に歯止めがかからない。球団は30日に昨季チーム最多の12勝を挙げた上沢直之(27)、同10勝の伊藤大海(24)、育成の田中瑛斗(22)の3投手が新型コロナの陽性判定を受けたことを公表。現時点では3人とも無症状だが、今後はキャンプ地の沖縄・名護市内で保健所の指示に従い隔離療養を行うことを明らかにした。

 日本ハムは前日の29日に攻撃陣の要である近藤の感染を発表。28日にも林ヘッドコーチを含め吉田、渡辺、浅間の4人がPCR検査での陽性判定を受けたことが明らかになったばかりだった。27日の石川亮、高山のコロナ感染を含め、自主隔離のままキャンプインを迎える選手が続出している。

 これはもちろん、日本ハムだけに限った話ではないのだが、日本ハムはこのオフに「ノンテンダー」により西川、大田、秋吉という主力3選手を事実上放出したため、ただでさえ選手層の薄さが懸念されていたところ。今キャンプは序盤からチーム全体の底上げが急務と言われていた。

 そんな事情もあり、チーム内ではルーキーたちへの“期待値”が日に日に大きくなっている。現在、ドラフト3位の水野達稀(21=JR四国)、同9位の上川畑大悟(25=NTT東日本)という社会人卒内野手の評価が急上昇中。ともに「ビッグ組」と呼ばれる一軍スタートが決定している。

 水野は30日にチーム便で沖縄入り後「だいぶ気持ちも高まっています。バッティングを評価していただいたのでまずは見ていただきたい」と初日からの猛アピールを明言。上川畑もドラフト下位ながら守備力に定評があるため「僕自身、守備がウリなので。1年目から試合に出るためにアピールしたい」と早くも「開幕一軍」を視野に入れている。

 またドラフト1位右腕の達孝太(17=天理高)も二軍の「ボス組」スタートながらキャンプ初日のブルペン入りを明言。新庄監督の視察に合わせるかのような調整ぶりで開幕一軍入りを虎視眈々と狙っている。

 主力が揃って離脱中となれば指揮官の目も必然的に新戦力や若手、二軍選手らに届きやすくなる。「ピンチはチャンス」。今年の日本ハムのキャンプは“新人大売り出し”となるかもしれない。