立憲民主党前代表の枝野幸男衆院議員(57)は1日、国会内で行われた同党の憲法調査会総会に出席し「立憲主義の論憲について」所属議員からヒアリングを受けた。

 泉健太代表はこの日、元東京都知事で作家の石原慎太郎氏が死去したことを受けて「政界に大きな足跡を残された方なので、心からご冥福をお祈りしたい」と話したが、永田町では「枝野氏がどう対応するか」と注目された。

 その理由は石原氏が生前、政治信条が異なる枝野氏を高く評価したエピソードが残っていたからだ。枝野氏は2017年の衆院選直前、当時の民進党が希望の党に合流を決めたことや、希望の党代表を務めていた小池百合子知事が民進党出身議員を選別したことを受け、旧立憲民主党を立ち上げた。

 これに石原氏は同年10月16日に更新したSNSで「今度の選挙では候補者たちの卑しい人格が透けて見える。戦の前に敵前逃亡、相手への逃げ込み、裏切り。まるで関ヶ原の合戦の時のようだ。その中で筋を通した枝野は本物のように見える」と評価した。

 この石原氏の枝野氏への称賛ツイートは当時、ネット上で「まったく評価できない」「意外だ」と賛否両論の書き込みがされて話題を集めた。

 枝野氏に同憲法調査会総会の終了後、石原氏の死去についてコメントを求めたが「それは党の然るべき人(泉代表)にお願いし、答えていただいただいた方がいいと思います」とキッパリ断られた。枝野氏は石原氏に気にかけられたことを知っていても現在は〝一兵卒〟として、何も語らずを貫いている。