【中国・北京発「支局便り」】北京での五輪は2008年夏季大会以来、14年ぶり2度目。同一都市での夏冬開催は史上初とあって、気合の入り方がひと味違う。今大会は各国からやってくる関係者に向けた〝技術力アピール〟の場にもなっているのだ。

 キーワードになっているのは「ロボット」や「自動化」だろうか。先日お伝えしたメインメディアセンター(MMC)内のレストランもそうだった。注文を受けてから調理、でき上がった料理を運ぶまで一切の人手を必要としない。それ以外にも、MMCではロビーで床をきれいにする〝お掃除ロボット〟を見かけたし、報道関係者が宿泊するホテルには廊下を動き回る〝消毒液噴射ロボット〟もいるという。

 そんなハイテク装置にちょっとしたハプニングが起きたのは、3日のことだった。東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(57)がIOC総会出席後に報道陣に対応。囲み取材に応じるさなか、すぐ近くに置いてあったダストボックスに〝異変〟が生じた。

 橋本会長のフォトセッションのタイミングで、手をかざすと自動で開く仕組みのセンサーが反応。なぜか勝手にフタが開き、閉じるまで十数秒、沈黙の時間が続いて仕切り直しとなった。取材終了後、記者がフタを開けて橋本会長と同じポジションに立ってみたところ、生ゴミの強烈なニオイに思わず悶絶した。

 この日、橋本会長は女性のスポーツ参加に貢献した関係者や団体に贈られる「女性スポーツ賞」で最高位となる世界賞を受賞した。「せっかくの晴れの舞台で、間が悪すぎる」。機械に誤作動は付きものだが…。