【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑451】1月17日、アメリカのペンシルベニア州西部にて奇妙な事件が発生した。住民のクリスティーナ・アイスさんは自宅の外で寒さに震えている動物がいることに気付いた。最初は隣人の飼い犬が逃げ出したのか、それともどこかの飼い犬が迷子になってしまったのかと思って、保護することにした。しかし、近づいてみると違和感を覚えた。

 その動物は全体的に茶褐色の毛皮で覆われており、犬に似ているが鼻先がとがっているなど違う特色も確認できた。「犬のようだが犬ではない」と思ったアイスさんは野生動物専門家に相談して見解を求めることにしたのである。

 しかし、専門家もその動物が何であるかは特定できなかった。犬ではなく、野生のコヨーテにも見えるが、断定はしかねるとの結論だったのだ。確かに米国のニュースサイト「69WFMZ」の動画を見ると、犬っぽいが、犬とも言い切れない、ちょっと不思議な生物だ。

「もしコヨーテだった場合、狂犬病を媒介する可能性があるので、われわれの施設で預かって、遺伝子検査をしてから考えましょう」と鑑定に携わった野生動物リハビリテーターのモーガン・バロンさんは語っていた。

 その後、この生物は野生動物保護施設に収容され、治療と遺伝子検査を受けるはずだった。この生物はなんと、検査を前にケージから脱走し、姿を消してしまったのである。

「謎の生物」を保護していた団体ワイルドライフ・ワークスによると、1月27日朝、スタッフがオフィスに到着すると、そこには破壊され空になったオリと、荒らされてゴミだらけになった病院エリアの光景が広がっていた。この生物は窓を開けるために目張りしていたシールをかみ切り、網戸を破って夜の闇に紛れて逃走したとみられている。

 ワイルドライフ・ワークスはこの生物の世話を1週間ほど行っていたが、「攻撃的な行動や苦痛を与えるようなことはなかった。生物の方も逃げようとするようなそぶりを見せなかった」と語る。

 謎の生物の体調も良くなってきて、遺伝子検査を終えたら解放するべきだろうと考えていた矢先にこの事件が起きたそうだ。施設側は生物が逃げ出したことに「大変打ちのめされた」と述べており、「こんなことになるとは夢にも思わなかった」と嘆いている。

 保護団体のスタッフは、謎の生物がさらなるケアを必要としている可能性もあるとして、生物の捜索を行っているという。回復したタイミングを見計らって脱走し、施設を荒らし回ったこの生物について、実は犬でもコヨーテでもなく、悪名高い「チュパカブラ」だったのではないかという噂も出回っているとか。果たして、謎の生物は再び見つかるのだろうか。

【関連動画】69 News Afternoon NETCAST for 01/21/22(問題の動物は 00:50頃)
https://www.youtube.com/watch?v=n3TD7TWfPn8