女優・沢口靖子(56)主演の人気ドラマ「科捜研の女」(テレビ朝日系、毎週木曜午後8時)の視聴率が伸び悩んでいる。最新話となる先月20日放送の世帯平均視聴率は、ついに8・3%。昨年10月には〝打ち切り〟が一部で報じられたが、それを裏打ちするような数字だ。実際、同局は終了した場合に備え、すでに人気ドラマの続編に向けて動き出しているという――。(関東地区、ビデオリサーチ調べ)

 同ドラマは、京都府警科学捜査研究所(科捜研)の法医研究員・榊マリコ(沢口)が事件の真相解明に挑む人気シリーズ。1999年に放送スタートし、ついに21シーズン目に突入。現行連ドラとして最多シリーズ記録を更新した。

 昨年10月14日の初回は12・8%と好スタート。ところが、第4話(9・9%)、第6話(9・2%)、第7話(9・8%)と1ケタ台が目立ち始め、第10話はついに8・3%まで転落。北京五輪を放送する関係上、第11話は10日に放送されるが、巻き返しに注目が集まっている。

「昨年9月に公開された初の劇場版が大ヒット。それを受けた新シリーズは3月まで2クール放送する。ただ、8・3%に落ち込んだことで、マンネリ化を指摘する声や、コメディー路線を強くしたことが視聴者層にウケていないと指摘されています」(ドラマ関係者)

 そんな「科捜研の女」の打ち切りが急浮上したのは昨年10月だった。

「週刊文春」と「女性セブン」で相次いで報じられ、その理由について「木曜午後8時のミステリードラマ枠」自体が、7月期の上川隆也主演の「遺留捜査 第7シーズン」を最後に終了することが伝えられた。

 木曜午後8時は「科捜研の女」「遺留捜査」のほか「警視庁・捜査一課長」など、一定の視聴率が見込める手堅い枠だ。しかし、テレ朝は広告的価値の高い13~49歳の「コアターゲット視聴率(コア視聴率)」を重視するようになっており、視聴者の年齢層が高い「科捜研」を終了させ、若返りを図りたいという。それに加え、同ドラマは京都で撮影しているため、キャストの移動費や滞在費などコストの面でもネックになっているようだ。

 とはいえ、これまで「科捜研」は安定した視聴率を稼いできただけに、あっさり終了させていいのかどうか…。

 だが、2020年10月期に放送された、木村文乃主演ドラマ「七人の秘書」がすでに動き出しているという。最終回16・7%、全8話の世帯平均視聴率は14・5%を記録し、同クールで圧倒的ナンバーワンとなった同ドラマ。脚本は「ドクターX――」を手掛けた中園ミホ氏が担当した。表向きは秘書として要人に仕える7人が、人助けのため影の仕事人となり、悪の権力者に鉄ついを下す痛快ストーリーがウケて、放送終了後に視聴者から続編を望む声が多数寄せられた。

「木村はもちろん、共演陣に菜々緒や大島優子、広瀬アリスら人気女優が勢ぞろいしています。コロナ禍でスケジュール調整はかなり難しいですが、原作のないオリジナルストーリーに加えて1話完結型なので、取りあえず映画化はしやすい。将来的な続編を見越して、まずは映画化に向けて動き出している」(テレ朝関係者)

 公開は遅くとも来年前半をめどに進行中だという。前述した通り、テレ朝は視聴者の若返りに着手しているが、若手売れっ子女優が顔をそろえる「七人の秘書」は打ってつけだ。まさに是が非でも続けたいドラマだろう。

「それこそ『ドクターX』のような看板シリーズになれる作品です。劇場版が大ヒットすれば、木村さんらの作品への思いも強くなるはず。そうなれば、シリーズ化も目指せる」(前同)

 テレ朝を代表する新シリーズ誕生となるか。