初の対外試合となった8日の阪神戦(宜野座=練習試合)に6―2で勝った日本ハム・新庄剛志監督(50)は、プレーボール時にベンチに不在。ベンチ上方のプレハブで全体の動きを俯瞰しながら紺田三塁ベースコーチにサインを送り、選手交代は林ヘッドコーチに任せ「見る」ことに徹した。

 4回以降にようやくベンチに入ったものの、すぐに折り畳み椅子を持って一塁ベンチ前を右へ左へ移動しながら角度を変えて試合全体、選手の動きをチェックした。

 新庄監督はプレハブ小屋からゲームスタートした理由を「全体の足の動きとピッチャーのクセを見ていた。ベンチからじゃ(角度的に)見えない。今日の時点で(先発した)タイガースのピッチャー(及川)の真っすぐと変化球のクセ分かりましたよ。人間観察好きだから」と〝スコアラー的視点〟からの初陣さい配を振り返った。

 その上で自軍の野手陣について「打球が外野を抜けて行って回る時のベースランニングが、まだちょっとできていなかった。(三塁を回り)オーバーランして直線に行けていないところがあった」と第1クールから徹底してきた走塁の意識改革「三塁ベースをストッパーにして(三本間の)ラインの内側を直線的に走る」を厳しくチェックしていたことも明かした。

 また一方で、この日のスタメン決定方式を「毎日夜間練習をしているメンバー。その結果が出たんだね」と人情さい配であったことも語った。しかし、解体、再建中のチームはもちろん「レギュラー未定の横一線」であることに変わりはない。

 新庄監督は「次の試合からBIG組にBOSS組、BOSS組にBIG組を加えていって、多分今日と同じ(ヒット1本でガッツポーズをするような)リアクションになると思いますよ」と、さらなる競争激化にタクトを振ることを示唆。

「結果じゃないんですよね。結果じゃなく、表に出てくる気持ちの伝わり方…。本当はもっと練習したいんですよね。あまり試合はいらない。面白いけど、練習の方が効果がある」とまずは順調に滑り出した〝無名軍団〟を勝てるチームにするための土台作りに、まだまだ時間をかけたい本音を語っていた。