第94回アカデミー賞のノミネーションが現地時間8日朝発表され、ネットフリックス映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ジェーン・カンピオン監督)が作品賞、監督賞、脚色賞など主要部門を含む最多12部門にノミネートされた。

同作からはベネディクト・カンバーバッチが主演男優賞、ジェシー・プレモンスとコディ・スミット=マクフィーが助演男優賞に名を連ねているほか、キルステン・ダンストが助演女優賞ノミネートを果たした。夫婦役を演じ、実生活でも夫婦のダンストとプレモンスは、揃って助演俳優部門にノミネートされる快挙となった。

それに続き、ドゥニ・ヴェルヌーブ監督のSF大作「DUNE/デューン 砂の惑星」が10部門、スティーブン・スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」とケネス・ブラナー監督の「ベルファスト」が共に7部門にノミネートされた。

濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」は、日本映画としては初となる作品賞と脚色賞にノミネートされたほか、監督賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門にノミネートされる快挙を成し遂げた。細田守監督の「竜とそばかすの姫」は、長編アニメ映画賞のノミネートを逃した。

「ウエスト・サイド・ストーリー」で8度目となる監督賞ノミネートを果たしたスピルバーグ監督は、受賞すれば「プライベート・ライアン」(98年)以来24年ぶり3度目の受賞となる。また、同作は作品賞にもノミネートされており、同監督はプロデューサーとしては最多11回目のノミネート記録を樹立した。

また、「愛すべき夫妻の秘密」でハビエル・バルデムが主演男優賞、「パラレル・マザーズ」で妻のペネロペ・クルスが主演女優賞にそろってノミネートされ、「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のダンストとプレモンス夫妻と共に史上初の2組同時ノミネートを達成した。授賞式は現地時間3月27日にハリウッドのドルビー劇場で開催される。(ロサンゼルス=千歳香奈子)