北京五輪スノーボード男子ハーフパイプで念願の金メダルを獲得した平野歩夢(23)の2回目の試技が物議を醸している。

 五輪で初めて史上最高難度と言われる「トリプルコーク1440」を組み込んだ構成を初成功。ところが、採点は思いのほか伸びず、91・75で2位だった。これには当人も首を傾げるような仕草を見せた。

 その後、平野は3回目で96・00の高得点をマークし、大逆転で金メダルに輝いたが、2本目の低採点の〝謎〟は残ったままだ。

 これに2006年トリノ五輪の日本代表でタレントの成田童夢が12日、自身のユーチューブチャンネルを更新。スノボ界特有の〝洗礼〟を浴びた可能性があると指摘した。

 成田も2回目の低採点は納得いかなったが「選手はジャッジに逆らうことできない。覆すことはできないに等しい。抗議には手数料が必要だったり、払ったとしてもそれが通るかどうかわからない。選手はそれを上回る演技をしなければならない」と明かした。

 その上で2つのポイントを提示。1つはジャッジからの挑戦状だ。成田は「有力選手に起こりうる、ジャッジからの挑戦状が叩きつけられた。(世界的な大会)X―GAMEでも実際にありました。有力選手が最高難度の技を出さずに2位になったことがある。ジャッジからすると『もっと最高難易度の技持ってるでしょ。見せなさいよ』という風なものがあった。それを決めたら優勝と決まっていた」と話す。

 意図的な低採点は平野に限らず、今月7日に行われたスノーボード・スロープスタイル競技でも起きていたという。

「中国の蘇(翊鳴)選手。彼はバックサイド1980、つまり5回転半まわす技を持っていたんですね。それをあえて見せず、でも誰が見ても1位の演技をしたのですが、出た得点は2位だった。3回目は惜しくも完走できず、結果は2位だった」(成田)

 その上で成田は2つ目のポイントとして、エンタメ性重視の傾向を挙げた。成田は「つまり逆転勝利というのを期待したのではないか」と指摘。

 一方で「たしかに盛り上がったのですが、仮に(平野の)2回目が正当な採点をされていた場合、3回目ではまだ温存しているとウワサされていた4回転半の新技が見れたんじゃないかな、と。ある意味、それは悔しい」とも語った。