【今週の秘蔵フォト】「清純派アイドル」という言葉が死語になって久しい。それでもこの言葉で真っ先に1970年代に活躍した岡田奈々を思い浮かべる人も多いだろう。今ではAKB48のメンバーのほうが有名だが、昭和世代にとっては清純派の代表格である。

 74年にオーディション番組「あなたをスターに!」で優勝。75年5月「ひとりごと」でデビュー。76年には「青春の坂道」をヒットさせ、中村雅俊主演の人気ドラマ「俺たちの旅」では田中健の妹役を演じて人気を不動のものとした。75年6月1日付本紙では、デビュー直後の岡田がインタビューに応じている。当時16歳の高校2年生。岐阜から上京して下宿暮らしの最中だった。

「さびしくない」と気丈に語った岡田は「お父さんが養蜂業、ハチミツを集める仕事をしているんです。全国を歩き回る仕事だから、年に3~4か月は家にいないんですよ」と意外な事実を明かしつつ、母親も仕事を持っていたため「カギっ子」だった過去を明かした。

「(芸能界は)ちっちゃいころからあこがれていたんです。でも私なんかは無理だと思っていました。テレビのオーディションは姉が私に黙って応募したんです。『タレントになりたいなあ』ってしょっちゅう言ってたものだから、お姉さんがハッパをかけてくれたんです。だって私、夢だけあっても何も行動しなかったもん…」

 その結果が優勝。「うれしかったけど、これからどうなるんだろうって考えたら、そっちのほうが心配になっちゃって。だって東京でこれから生活しなくちゃいけないわけでしょ。友達だって東京には誰もいないんだもん」と16歳らしい等身大の言葉を口にした。

 その後は快進撃を続け、数多くの映画やドラマ、CMなどに登場するようになる。岡田が最も輝いていたのは間違いなく10代の時期だろう。笑顔の写真は今見ても、とてもまぶしい。