昭和の歌姫、歌手の江利チエミさんの3枚のアルバムが13日、サブスク解禁された。

江利さんは、美空ひばりさんや雪村いづみとともに3人娘と呼ばれ、戦後の動乱期に華々しく登場し魂の歌声で観客を魅了。だが、自身は苦難の人生を歩み、1982年(昭57)2月13日、45歳という若さで、短い生涯を終えた。

この日は、没後40年の命日にあたり、「テネシー・ワルツ~江利チエミ ベスト・ポップス~」「黒髪」「チエミ・オリジナル」の3枚が解禁された。

発売元のキングレコードでは、近年、松原みきの「真夜中のドア」や竹内まりやの「プラスティック・ラブ」など、シティポップを先頭にした70~80年代の邦楽ブームがきていることから、江利さんにも期待をよせる。現在ヨーロッパを中心に、江利作品のDL数が急増しているという。

江利さんは、52年に名曲「テネシーワルツ」でデビュー。40万枚を超えるヒットを記録しその後もヒットを連発、瞬く間に国民的歌手になった。さらに、卓越した音楽性でラテン、キューバン、民謡、歌謡曲、演歌、ジャズ、ゴスペルなどさまざまなジャンルを自由に行き来し、日本全国の有名民謡とラテンジャズを融合させるなど、エキゾチックかつ洗練されたアレンジで今もなお、色あせない名曲群を誕生させた。

江利さんは東京都台東区生まれ。NHK紅白歌合戦には、史上初めて歌手兼司会として出場。当時の連続出場最多記録かつ史上最多出場記録(16回)も記録した。司会をつとめた第14回紅白の世帯視聴率は81・4%で、歴代最高。また、女優としても約50本の映画に出演したほか、ドラマ「サザエさん」は代表作に。プライベートでは俳優高倉健さんと結婚するも、その後離婚している。