19年に公開された、新津ちせ(11)主演の映画「駅までの道をおしえて」(橋本直樹監督)が17日から、韓国内の30館以上で劇場公開されることが13日、分かった。

伊集院静氏の原作で、愛犬の死を受け入れられない少女が、幼い息子を亡くした経験を持つ老人と出会い、心を通わせる物語。日本での公開から、「涙なしでは見られない映画」「大切な人と見たい映画」「宝物のような映画を見つけた」と数多くの反響を受け、20年2月、タイでの劇場公開を皮切りに、香港、台湾(配信)で公開されてきた。ヨーロッパを中心に多数企画上映されている中、今回、韓国での上映が決まった。

新津は、音楽ユニット「Foorin」のメンバーとして第69回、第70回の「NHK紅白歌合戦」に2年連続出場したほか、20年前期放送のNHK連続テレビ小説「エール」や現在放送中のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、3代目ヒロイン・ひなたの子ども時代を演じるなど、多方面で活躍している。

今回、韓国での上映が決まり、「本当にうれしいです!」と喜び、「韓国にはお友達も住んでいて、韓国語のあいさつを教えてもらったりもしたので、ぜひ劇場公開に合わせて韓国に行きたかったのですが、感染症拡大防止のため、今はまだ行くことが難しい状況で、すごく残念です」とコメントを寄せた。

同作は、新津が小学校1年生になる頃から2年生の秋まで、約1年半かけて撮影した映画だったという。4月で小学6年生になる新津は「映画の中の自分はずいぶん小さく感じるのですが、撮影しているあいだは、幼いながらも、自分なりに一生懸命いろんなことを考えて、サヤカとして生きていた毎日でした」と振り返り、「サヤカの、大切な存在をうしなってしまった悲しみや、『また逢いたい』と心から願う気持ちは、年齢も、性別も、国も超えて、きっと多くの方に共感していただけると思います。ぜひ、韓国でも、たくさんの方にこの映画を見ていただけたらうれしいです」と力を込めた。